永久歯が生えてこない(先天性欠損)・歯が埋まっている(埋伏) | 歯並び治療例 | 矯正歯科 京都|歯列矯正専門医かながわ矯正歯科です
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先天性欠損歯・埋伏歯(歯の数が足りない)の治療例

先天性欠損歯

先天性欠損歯

※下顎の○部分が1本欠損していることがわかります

「先天性」とは生まれながらにして「欠損」とは歯がないことを指します。つまり生えるべき歯が生えてこないことを先天性欠損歯・無歯症といいます。本来乳歯の下では将来永久歯になるための芽のようなもの(歯胚)が育っていますが、何らかの理由で歯胚が出来ない場合は永久歯が生えてこず、先天性欠損歯となります。歯が1~2本欠如している場合、食生活の変化で退化がおきていると考えられているほか、遺伝や妊娠中の栄養欠如・全身疾患・薬物の副作用などが考えられていますが原因ははっきりしていません。先天性欠如歯は親知らず・犬歯・第二小臼歯・側切歯などに多く見られます。

放置すると・・・

放置すると・・・歯がないままの状態が長く続くと、両隣の歯が欠損部分に向かって倒れてきたり噛み合う歯が伸びて噛み合わせを悪くし、歯並びが悪くなるほか顔や顎の変形や骨格が歪んでしまうことがあります。もちろん虫歯や歯周病の原因にもなります。

治療法

欠損している部分に奥から今ある歯をずらして隙間を埋め、歯並びを整えていきます。

先天性欠損治療例
先天性欠損治療例
年齢・性別
11歳 女性
治療期間
2年2ヶ月(マルチブラケット治療期間は
2年5ヶ月)
使用装置
ヘッドギア、マルチブラケット、パラタルバー
主訴
出っ歯を治したい
口腔内所見
上顎歯列の狭窄と著しい前突(出っ歯)が見られます。下顎の前歯が3本しか(本来は4本)萌えておらず、左下第二小臼歯が隙間不足で引っかかっていました。上下の大臼歯関係はアングルII級(奥歯の噛み合わせがずれている出っ歯の状態)で左側の大臼歯が交叉咬合(顎が左右いずれかへずれている噛み合わせ)となっていました。
診断
右下側切歯の先天性欠損を伴う上顎前突

治療計画

上顎第一小臼歯抜歯にて著しい前歯前突を改善します。前歯後退を最大限に行うためヘッドギアとパラタルバーを用います。下顎前歯1本が先天性欠損でしたが、予測模型にて下顎非抜歯で噛み合わせを再構成できることを確認しました。

上顎・正面・下顎
上顎・正面・下顎
治療結果

永久歯の先天性欠損で歯数に異常があるケースは矯正歯科では珍しく、永久歯1本の欠損から上下数本にわたるケースまで様々ですが、当院では上下7本先天性欠損を有する患者さんを経験しました。本症例は下顎前歯1本欠損を伴う上顎前突で、上顎左右第一小臼歯抜歯を行い上下の歯数は合わさずに予測模型のシュミレーション通りに治すことができました。診断と上下大臼歯を維持しつつ上顎前歯を思い切り後退させなければならない歯牙移動のコントロールが難しいケースではありましたが、ご本人の協力もよく満足いく結果に導くことができました。

埋伏歯

埋伏歯

※下顎の○部分が埋まっています

埋伏歯は歯が生えてくる時期が過ぎても歯(歯冠)の全部または一部が歯茎の下または顎の骨の中に埋まって出てこない状態の歯のことをいいます。1歯または数歯が埋伏しているものから、多数歯が同時に埋伏しているものまでさまざまな場合があります。原因としては多くの埋伏歯は乳歯が早期に脱落したり歯が抜けずに残ったり、顎の骨の不十分な発育などにより、永久歯の生えてくる場所が不足することで生じます。多数の埋伏歯が認められる場合は、遺伝的要素・先天異常・内分泌系疾患・栄養障害などが疑われることがあります。埋伏歯は代表的なものとして親知らずがあり、そのほか犬歯・第二小臼歯・上顎の中切歯に多く見られます。

放置すると・・・

埋まっている歯がすでに生えている歯の根っことぶつかって根っこを溶かしてしまったり本来あるべき場所に歯がないことで隣の歯が倒れこんできて噛み合わせが崩れる可能性があります。

治療法

埋伏歯の歯冠の一部を露出させ矯正装置を用いて口腔内に牽引誘導し、正しい位置に導きます。

埋伏歯治療例
埋伏歯治療例
年齢・性別
14歳 女性
治療期間
1年11ヶ月
使用装置
マルチブラケット、リンガルアーチ
主訴
左上の糸切り歯が変なところから萌えてきた。
口腔内所見
左上の犬歯が前歯の歯根部から萌出していて、左上乳犬歯(乳歯の糸切り歯)が残存していました。上顎歯列がやや狭くV字型の歯並びです。右下第二乳臼歯が脱落して後継永久歯の萌出開始前でした。上顎前歯正中がやや左にずれていました。上下大臼歯関係はアングルI級(噛み合わせは正常)でした。
診断
左上犬歯の位置異常を伴う上顎前突

治療計画

左上乳犬歯を抜歯し左上犬歯を本来あるべき位置に移動させます。その移動術式としてマルチブラケットシステムにオフアーチテクニックを併用して、慎重に正確に犬歯の移動をコントロールし排列します。歯の前突、口元の突出を認めるがご本人は気にされていないため非抜歯での治療とします。

上顎・正面・下顎
上顎・正面・下顎
治療結果

患者さんの主訴である左上犬歯のコントロールが可能か?を見極めることが難しく、また実際の歯の移動も技術を要するケースでした。医院によっては移動不可能と判断され、犬歯を抜歯するところも多いと思われます。犬歯は審美的、機能的に重要な歯であり、よほどの悪条件でない限り当院の治療において、抜歯をしないように心掛けています。レントゲン所見より左上犬歯歯根は側切歯(2番目の前歯)歯根と前後的に重なっており、完全に入れ替わってはいませんでした。そこでマルチブラケット装置を装着し、メインワイヤーとは別にオフアーチ(別のワイヤーを溶接しバイパスさせる)で犬歯を慎重に後ろ方向へ遠心移動させ、犬歯の本来の位置に排列させました。口元の突出感が見られましたが、ご本人がそれほど気にされていなかったため抜歯はしませんでした。オフアーチテクニックはワイヤー屈曲や鑞着(ワイヤー溶接のような作業)の技術、経験を必要とするため治療計画に入れられないことが多いですが、修業先でたたき込まれた技術を自院で活用でき、ご家族にかなり感動していただけたケースです。

先天性欠損歯や埋伏歯はそのままにしておくと隣の歯が倒れてきて噛み合わせが崩れてくるだけではなく、口腔内や顎などに様々な悪影響を及ぼします。「永久歯が生えてこない」「歯が埋まっている」などと感じた際には一度ご相談下さい。レントゲン撮影を行い、患者様の症状に合った最善の治療法を提案させていただきます。